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アルミサッシ結露の理由は完全にメーカーの都合




以下のような質問があった。

我が家はペアガラスですが、サッシがアルミなのでフレーム部分で結露が発生しています。
そもそも断熱の観点から見て、何でサッシってアルミなんでしょうか?

一般に断熱材は熱伝導率の小さいものが良いと理解されている。
その意味ではアルミは熱伝導率がはるかに大きく、
断熱材では(断熱性は)ない。

従って、サッシは外気と同じ温度になっているので、
室内の暖房温度との差が生じて界面で結露を起こす。
こまめにふき取るしかないが、完全には無理。
もちろん温度差がなくなってくれば蒸発はする。
しかしコーキング剤のところに水滴がたまりカビの発生に繋がる。

樹脂サッシがよいが、高価ということで採用率は低い。
施主は初期投資が高くなる事に抵抗があり、
窓を含めた断熱に掛かる投資は
光熱費の削減につながり元が取れるが、
なかなか受け入れられないのが実情。

アルミは加工がしやすいし、
寸法安定性がよい、
また軽いのでサッシとしては都合がよいのだ。
完全にメーカーの都合である。
尚、欧米の人達は「日本は何でアルミか?」という疑問を持っている。

日本はアルミの原料となる
ボーキサイトを海外から輸入して多くの電気を使い、
インゴットを作る。
したがって
アルミは省エネ商品でもないといえる。

ちなみに、アルミは光を反射させるので、
遮熱材としてシート
あるいは蒸着フィルムにしたもので
アルミの特性は発揮される。
しかし純度は低いものや、
表面が汚れたり、
酸化したりしてくると反射率が低下する。

温熱の専門家の一人は
この様な遮熱材の効果は残念ながら年間で見ると沖縄以外はない
との論文が出されている。
従って、個人がどのように判断してよいか
分からないのが正直なところ、
なんとなくよいと思っているだけ。

今までの慣習や営業マンの営業トークで
「値段が高くなる」と言うことに抵抗があり、
性能アップの実現を遅らせている事もあるのではないだろうか。
これから長期優良で且省エネ住宅を作る
という視点に立てば営業トークも違ってくるはずだが…

工務店やパワービルダーさんは、
ぜひそのあたりがんばって欲しいものだ。