暑さ対策ではまず屋根断熱が先決





今さらこんな事を言うと“分かっている”と無視されるかもしれないが、扇風機や団扇を使うと、たとえ30℃の空気を体にぶつけても涼しく感じるのはなぜか?

・体温の方が周辺温度より高い間は毛穴から熱(汗)が体外にでる。

・皮膚の表面には薄い空気層があるので、熱の拡散には少し時間がかかる。

・そこに空気(風)をぶつけると表面の空気層を飛ばすので放熱が加速する。ただし風が当たった部位のみ。

しかし、40℃近くになるともはや扇風機も役に立たない(湿度が低いと、若干違うが)

最近は扇風機も充電式の省エネ機種が開発され、売れ行きもいいらしいが、体全体を冷やす事にはならないので汗が出なくなったらこの方法は働かない。結果、熱中症と脱水症リスクは増大。

体調不良を起こさない限度は人それぞれ異なるが、この辺が難しい。今年は節電と暑さ対策を両立させる事が求められる。正直非常に難しい。節電15%ではなく、20-25%を考えているところもあると聞いている。寒さ対策よりも暑さ対策の方が手段は少なく困ったもの。

基本対策はやはりしっかりとした気密・断熱をする事です。特に暑さ対策ではまず屋根断熱が先決。端的にいえば輻射熱は空気を暖めるより先に人や床の温度(表面温度)を上げるので厄介である。

天井裏にスカスカの繊維系のものが敷き詰めてある家が多く、夏特に耐えがたい程暑くほとんどの施主が不満を持っている。断熱材を天井で追加した施主も効果はないと言い切る。理由がが分からない人が多いので、ちゃんと説明してあげるべき。

輻射熱を阻止する断熱にはなっていない事が大きな原因。輻射熱をさえぎる手段あるいは躯体の表面温度を下げる手段を講じるのが優先されるべき。