前回に続き床断熱の話
3月4日の省エネ健康住宅セミナー(省エネ最前線)
で披露された慶応大の伊香賀先生チームが調査した、
断熱と健康についての調査結果です。
断熱による血圧への影響を温湿度計、
家庭血圧計、活動量計を使い
徹底した調査を行っています。
1.10℃の寒さで血圧が4.3mmHg上昇(高齢者ほど上昇)
高齢者の場合は5.9mmHg上昇
2.平均10℃寒い家に住んでいる人はさらに0.7mmHg高い
3.H11基準住宅は無断熱住宅に比べて約4℃暖かい
4.新築後の室温4℃上昇で血圧1.4mmHg低下(正常血圧群、平均125mmHg)
5.新築後の室温4℃上昇で血圧6.8mmHg低下(高血圧群、平均135mmHg)
6.断熱改修によって起床時血圧が顕著に低下。改修以前の室温8℃から改修後20℃になったケースでは収縮期血圧12mmHgも下がった。また拡張期血圧も9mmHgも下がった。
7.高知市内、築37年を断熱改修した。2013年1月10日 平均外気温5.07℃の時の室温は6~21℃、改修後測定(2014年1月23日)の外気温平気5.5℃の時の室温15~26℃。いずれも朝9時頃から暖房を始めた。
8.断熱性向上・暖房使用による身体活動が促進される。健康寿命が延伸も。
これらの調査データからは、
住まいが暖かい事が国民の健康維持、改善に
繋がる事が間違いないと言えます。
血圧に関しては、血圧手帳を持って、
家で測定して居られる方が多いとおもいますが、
部屋が寒いと当然血圧上昇となります。
その結果を見て医者は
「高いですね。薬を変えてみましょう」ということになる。
特に、寒い地域では顕著だと思います。
その意味では国が援助してでも
断熱改修は実施すべきではないでしょうか。
これはまさに予防であり、医療費の大幅な削減も期待できます。
住宅エコポイント制度の復活、
高性能建材導入支援事業にその一端が現れてきたといえますが。
国もぜひ本腰を入れてもらいたいと思います。