明けましておめでとうございます。皆さんにとって実り多き年になりますよう。
さて、2015年最初は気密の解釈について。
気密住宅といえば、息苦しいと感じる人がいるが、勘違いしている様に思う。
まず「気」を水蒸気と混同しているのではないだろうか。
結論としては空気の「気」と理解すべきである。
気密シートをしっかり貼り付ける慣習がいまだに残っているが、
このようなシートで仮に体を包むと
それこそ汗も蒸発しないで蒸れて息苦しくもなる。
室内においては湿度が上がってきても湿気(水蒸気)は逃げない。
それこそが勘違いの一因と思われる。
水蒸気の移動に関しては二通りある。
一つ目は「拡散」現象といって水蒸気圧の差で平衡になろうとする現象。
※密閉空間では湿り空気線図が作成できる。従って、結露点を計算で出す事ができる。
二つ目は空気が流れる時に空気の中に含まれている水蒸気が
同時に移動する対流や漏気という現象での大量の水蒸気移動。
これは一定の法則がなりたたないので、計算ができない。
しかし建物ではこの漏気が過去から大きな問題を起こしてきた。
オムツカバーやゴアテックスは通気性がある。
この通気の「気」は水蒸気の事である。
結露は水蒸気が液体の水に変わる現象であるが、
品物によっては水蒸気を吸着させてはいけないものがある。
ポテトチップやタバコ、薬の錠剤は吸水(湿)性のものであるので、
必ず湿気を通さないフィルムやシートで包む。
しかしいつの間にか中身は湿ってくる。
せいぜい2週間持てばよいようなシートである。
空気中には多くの水蒸気を含んでおり、
たとえば気温30℃で相対湿度70%というと
空気m3あたり約16gグラムもの水蒸気が存在している。
しかし結露計算に使っている水の単位は何と10億分の1グラムである。
こんなのは無視してよいのではないかと思う。
透湿性があると結露を起こすと思っている人が多いが、それは誤り。
漏気が主な結露の発生原因であり、欠陥住宅の大きな要素なのである。
なぜ住宅に防湿シートを使うのか分からないが、
繊維系の断熱材(繊維が絡まっているだけであり、
空気が自由に勝手気ままに動くすなわち乱移流する構造)
の結露防止が目的だと思われる。
しかし、そもそも役に立っているのか大いに疑問。
解体現場での黒カビが出ているのは
シートが役に立っていない証拠である。
空気漏れや空気移動による水蒸気移動で結露が発生しているのである。
漏気を防ぎ、透湿を確保することが本当の気密だと言える。